□□□丸x眉□□□


「ま、眉村・・・」

本当に俺でいいのかと、気弱な目が問いかけている。
言葉で答えてやる気なんてなかった。丸山の首の後ろに手を掛けると、強く自分に引き寄せる。
短い髪の硬い感触が、手のひらにくすぐったい。
「ちょ、ちょっと待って・・・」
「待たない。」
最後まで言わせる気はなかった。強引に唇を重ねて、歯列を舌で辿る。くぐもった声が漏れたが、勢いは止まらなかった。名残惜しさを残したまま、唇を離すと。次は丸山の短めの首に顔を埋める。汗の匂いがした。
舌を這わせると、微かな塩気と荒い鼓動が伝わってくる。
「お、俺、シャワー浴びて・・・くるよ」
「このままでかまわない」
逃げ腰の身体を力を込めて抱きしめた。逃がしてやるつもりなんてない。
抱きしめられる力の強さにあきらめたのか、丸山の身体からもゆっくりと力が抜けていった。

□□□

丸山は着やせするタイプじゃなかったらしい。
みっちりとした肉付きは、ユニフォームの上から見た通りだった。
下から見上げるように、胸元に手を這わす。自分よりも高い体温が気持ちよかった。
「どうした?」
動きの止まった手を動かすように催促すると、恐る恐るといった風にシャツがめくり上げられる。
はだけた胸に、分厚い手のひらが当てられて、眉村は熱い息を吐いた。次の瞬間胸の先をつままれて息が詰まる。思ったより強い力で捻られて、身体が踊った。
「やっ、や、ああ」
自分でも思ってみなかったような声が漏れる。刺激の強さで、目尻が微かに濡れたのが判った。
「だ、大丈夫?」
胸をまさぐっていた指が、零れた滴を拭う。
心配されるのは、かなり不本意だったが、しかたなく頷くと。ほっとしたような笑顔が返ってくる。
彼のこういう所が、ひどく羨ましかった。朴訥で暖かみのある、他人を和ませるような雰囲気は、自分には一生縁が無いだろう。
そして、そんな風に自分が思っている事を気づいてもいないだろう。
睨み付けるような視線を向ける眉村を見て、丸山が不安げな表情をした。
「眉村・・・、俺・・・何かしたのか?」
「別に・・・」
だが、それっきり固まってしまった丸山は、眉村の上で動けなくなってしまった。
「あ、あ、あ、あの・・・」
「気にするな、お前が気にするような事はない」
それでも、まだ固いままの丸山に、多少の苛立ちを隠せないまま。眉村は足を、丸山の腰に絡ませた。
「早くしろ」
射すくめられたように眉村を見つめていた丸山が、こくりと頷いた。
□□□
眉村の背中には、張り詰めた美しさがある。
綺麗に浮き出た肩胛骨も、滑らかな肌も、計算され尽くした結果のようだ。
少し強く口づけただけで、鮮やかな跡が残った。
「ごめん・・・」
「なんだ?」
振り返った眉村の額にはうっすらと汗がのっていた。
「背中に跡が・・・、残っちゃったんだけど・・・」
「それ位の事、気にするな」
「でも、部活の時とかに・・・」
見つけた所で、俺に相手を聞いてくるヤツなんていないだろう。聞かれたところで、答える義務なんてない。
ごく当たり前の事のように、そう言われると否定する要素は残されていなかった。
□□□
後ろからゆっくりと押し入られる感触は、なかなか慣れる事が出来ない。体中の感覚がそこに集中して、筋肉が収縮する。
ずるりと引き抜かれると、身体の内側が引きつるような快感を伝えてきた。
「はぁ、あ・・・あ、あ」
呻くような声は、まるで自分のものでない気がする。
「眉村・・・、眉村」
繋がったまま、分厚い手に後ろからまさぐられて。新しい刺激に身体がついてゆけずに、びくんと跳ねた。
「ふっあ、ん。くっ」
だんだんと激しくなる動きに感覚がついてゆけない。
「ま、まる・・・やまぁ」
徐々に力の抜けてゆく腕では身体を支えきれず、上半身がベッドに沈む。腰だけが上がった状態で、更に強く突き上げられて、目の前が真っ白に染まってゆく。

頬に添えられた手と、背中に感じる温度に包まれて、眉村は静かに瞳を閉じた。



某素敵サイト様での絵チャの産物(笑)!続くのかな・・・?