『どうか僕にだけ。』



「野球の事になると、本当に見境がつかなくなるよね。」

思わず口をついて出た言葉に君が顔色を変えるのが判った。

責めるつもりがなかったといえば、嘘になるかもしれない。
でも、どうしても、君だけには判っていて欲しかった。

どうか僕にだけは嘘をつかないで欲しい。




「吾郎くん、自主練習も良いけど、ユニフォームはきちんと洗っておこうよ!!」




確かに君の匂いは好きだけど、なにも練習中に振りまかなくてもいいだろ!
そんなに洗うのが面倒くさかったら、僕が洗ってあげるから(下着込みでね!!)。



あ、逃げた・・・。