『無自覚という名の罪』



「おい、寿也!キャッチボールつきあえよ!」

練習後の自主練はいつもの事だし、チームメイト達のげんなりした表情もいつもの事だ。
でも練習相手に僕を選ぶのは、無自覚なのかな?

(無自覚というよりも、『習慣』と言われれば、その通りなんだけど。それはちょっと寂しいものが・・・)

「はい、はい、はい。」
返事は1回だろ。とちょっぴり拗ねた顔は、(絶対に)無自覚だよね。

ミットを片手に走り寄れば、満面の笑みが僕を待っている。
そんな表情のどれも好きでたまらないけれど。

「俺の恋女房だろ!!」
なんて叫ばれた日には、ホームベースから立ち上がれないよ。



『無自覚って本当に罪だよね』